キットとは、同じ目的で使用するために、1つの容器や包装にまとめられたアイテムのグループのことです。「セット」や「パック」と似た言葉です。
「救急キット」とは、救急箱の中に飲み薬・絆創膏・テープなどの一式が揃ったものを意味します。また、小学校の理科で使う「電気回路キット」とは、豆電球・導線・電池ケースなどを1つの箱に同梱したものです。
さて、その「キット」の動名詞である「キッティング」とは、どういう意味でしょうか?
その意味は、「キットにすること」ですので、1つの箱や容器に同梱・同封するということです。
物流の世界では、「キッティング」という用語がよく使われます。
例えば、ネット通販サイトで、パスタと、コーヒー豆と、マグカップと、シャンプーを買ったとします。それぞれが別々に段ボール箱に梱包されて、別々の便で4回も配送されたとしたら、荷物を運ぶ宅配業者にとっても、荷物を受け取る個人にとっても面倒で仕方がありません。
そこで、メーカーが違う商品であっても、1つの段ボールに同梱して、自宅などに一度に宅配してほしいという要望が生まれます。そのほうが、お互いにとって便利だからです。このように、いくつかの商品を1つにまとめて梱包して配送する物流の方式をキッティングと呼びます。
パソコンの配送についても同様です。新しいパソコンを購入した場合に、ディスプレイ・本体・キーボード・マウス・ソフトウェアなどが、別々の段ボールに梱包されて、別々の宅配便で届けられたとしたら、不便で仕方がありません。
そこで、キッティングサービスでは、パソコンなどのICT機器やスマホなどのデバイスを配送する前に、物流センターでアプリケーションのインストールやセットアップなども済ませてから、機器を配送します。さらに、企業で使用する機器の場合には、ラベルの印刷・貼付けなど、従来は企業のシステム部門が担っていた細かな業務までを物流業者などが代行するサービスもあります。