知名度と認知度|マーケティング用語

知名度と認知度。似たような言葉ですが、マーケティングの専門用語としては、はっきりと区別する必要がある2つの言葉です。

「知名度」とは、その企業・ブランド・商品・人名などの「名前」が知られている度合いです。アンケートで、「名前は知っている」「名前を聞いたことがある」と回答する人が多ければ、知名度が高いということになります。

一方、「認知度」とは、名前だけではなくて、それがどういうものであるのかを知っている度合です。

企業やブランドであれば、どういう事業分野なのか。そして、どういう強みを持っているのか。例えば、「若者に人気のファッションビジネス」とか「老舗の和菓子屋」など。その企業やブランドを紹介するときに、「●●で有名な」という枕詞がつくところまでいけば、かなり認知度が高いということになります。

最近は、BtoB(企業向け)のテレビコマーシャルを目にすることも多くなりました。

BtoB企業の場合、まずは社名を知ってもらおう(知名度を上げよう)ということで、社名を連呼するだけのものがあります。しかし、「何の会社なのか」を知ってもらう(認知度を上げる)ほうが、広告の費用対効果は高いはずです。とは言え、15秒のCMでは多くを伝えることは無理なので「●●の会社+社名」を連呼するパターンが多いようです。

また、BtoC(消費者向け)の商品であれば、どのような商品で、どんな特徴を持っているのかを伝える必要があります。例えば、ビールなら「切れ味がある」「コクがある」、洗剤なら「汚れが落ちる」「手に優しい」など。

多くの企業は商品の知名度だけではなく、認知度を上げるためにテレビコマーシャルなどの広告に費用を投下しています。トップシェアでない場合には、きちんと他社との差別化要素を伝える必要があります。認知度が上がるということは、自社(自社商品)と他社(他社商品)との違いを購買者に伝えられていることを意味します。つまり、自社が目指すポジショニングの構築がうまくいっているということです。

ただし、既にトップシェアを確保しているブランド・商品の場合には、その利用シーンを流す(例えば、夏休みに家族旅行をする、冬に家族でお鍋を囲むなど)だけで、充分な効果が得られるものもあります。