ニーズとウォンツ。どちらも、よく聞く言葉です。
ニーズとは、「不満足な現実」と「理想」とのギャップのことです。
例えば、満員電車に乗って出社すれば体力を消耗します。新型コロナウィルスのような感染症に感染するリスクもあります。このような満員電車に乗って出社するという”不満足な現実”に対して、満員電車に乗る必要のない状態が”理想”です。そして、目の前の満員電車に乗る生活から脱出することがニーズです。
あるいは、仕事に追われて、家事をこなす暇も体力もない。そんな現実があるとします。
(本当の理想は仕事に追われないことですが・・・)それに対して、時間や体力がなくても家事をこなすことができるのが理想です。忙しくても家事をやりくりできる・・・というニーズが存在することになります。
これらは、あくまでもニーズです。
それに対して、ニーズを満たす(ギャップを埋める)ための具体的な手段・ソリューションを手に入れたいと願う欲求がウォンツです。
満員電車を避けるというニーズを満たす方法は、いくつもあります。
(お金持ちになって仕事を辞めるというのもありますが)例えば、ひと昔前ならば、役員になって社用車で出社するというのもあるでしょう。今なら、時差出勤をしたり、テレワークをすることが現実的な解かもしれません。
その「社用車に乗って出社したい」「時差出勤したい」「テレワークしたい」という欲求が「ウォンツ」です。あるいは、時差出勤やテレワークのできる会社に転職したいと考えるのも「ウォンツ」です。
家事の例で言えば、時間や体力がなくても家事をやりくりする・・・というニーズを満たす方法も、いろいろとあります。
食洗器を購入する。ロボット掃除機を購入する。食事の宅配サービスを利用する。家事代行サービスを利用する。家事をこなしてくれるパートナーを見つける・・・などです。そして、「食洗器が欲しい」「ロボット掃除機が欲しい」「宅配サービスを利用したい」「家事代行サービスを利用したい」「パートナーが欲しい」という欲求が「ウォンツ」です。
マーケティング的な視点で言えば、世の中のニーズを探し出して、ウォンツに変換するのが、商品・サービスの企画/開発の仕事だと言っても良いでしょう。そのニーズを強烈なウォンツに変える(みんなに欲しいと思ってもらう)ためには、知恵を絞るだけではなくて、技術的に難易度の高い「シーズ」が必要な場合もあります。
しかし、その高いハードルを越えたときには、他社とは大きく差別化された独創的な商品やサービスが誕生するはずです。