人材派遣に詳しい方であれば、もちろんご存知だと思いますが、人材派遣において派遣先の会社と派遣社員の事前面接等は禁止されています。これは、単に派遣会社のルールというわけではなく、労働者派遣法で定められているものであり、事前面接の実施等は労働者派遣法違反(罰則なし)となります。
その派遣社員の事前面接とは、企業が派遣会社へ人材派遣を依頼してから派遣社員が着任までの間に、派遣社員本人が事前に派遣先へ面接に行く事です。
労働者派遣法では、この事前面接を禁止していますし、事前の履歴書の送付についても禁止しています。
しかし、派遣先(企業)と派遣元(派遣会社)との間で、事前に履歴書のやりとりをしたり、事前面接を実施することが多いのが実情です。
本来、派遣社員が派遣先の環境を知るために事前に職場見学をすることがあったとしても、派遣先の企業から「違う人に代えて欲しい」と依頼することはできません。このことは派遣先の方にも知っておいていただく必要があります。
ただし、紹介予定派遣の場合には、通常の企業の採用活用と同様に、履歴書の確認や面接の実施が可能です。
労働者派遣法の第26条6項
労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、派遣労働者を特定することを目的とする行為(特定目的行為)をしないように努めなければならない。
派遣労働者を特定することを目的とする行為の具体例 (派遣先指針第2の3)
・労働者派遣に先立って面接をすること
・労働者の履歴書を送付させること
・発注にあたって若年者に限るなど指示すること 等
特定目的行為に関する留意事項
〇派遣元事業主に対しても指針に以下の定めがある(派遣元指針第2の13)
・派遣先による特定することを目的とする行為に対して協力してはならない
〇紹介予定派遣の場合は、円滑な直接雇用を図るため例外的に特定目的行為が認められている
*紹介予定派遣:労働者派遣の終了後に派遣元が派遣労働者を派遣先に職業紹介することを予定した労働者派遣
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360AC0000000088
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000640442.pdf