ウェブライティングで文字数を増やすコツ

SEO対策として、ページあたり3000文字を目指すべきだと言う人がいます。いや、5000文字は必要だと言う人もいます。初心者はもちろん、ベテランであっても、3000文字の文章を書くことは結構な負担ですし、5000字となると尚更です。

私の経験では、(一桁少ない)300~400文字のページでも該当するキーワードで検索1位になることがありますので、決して、3000文字が「必須」だとは思いません。しかし、後から追随するライバルに「長文のページ」をぶつけられ、検索1位を奪われる可能性もあります。そうならないためには、最初から文字数を増やしておくことが賢明なのかもしれません。

それでも、「長い文章を書くことが苦手だ」「同じことをダラダラと繰り返して書いてしまう」という悩みを持つ方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合には、如何に文字数を増やすのかについて、いくつかのヒント・パターン・方法論を知っておくと便利です。

これは、ウェブサイトでのライティングに限らず、「小学生の作文」や「大学生の小論文」などでも使えるはずなので、是非、参考にしてください。

それでは、「長文を書くコツ」について、以下に書いてみたいと思います。


1.まずは、キーワードを決める

何について書くのかを考えることと共に、まず始めにやるべきことはタイトルや本文で最も強調する「キーワード」を決めることです。ウェブライティングでは、Googleなどで検索されたい「キーワード」を決めることは最も重要な作業です。

キーワードを1つに絞るのか、それとも、複数にするのかは場合によります。

「長文を書く」という本題から離れますが、ツールなどを使ってそのキーワードの月間検索数のボリュームを予め調べておくことをおススメします。月間検索数1万件のキーワードに対して5位以内を狙うとか、月間検索数が100件程度のキーワードで1位を狙うなどの目標を持っておきましょう。(最初は、目標の持ち方がわからないでしょうが、次第に慣れてきます。)


2.キーワードをいじって、文字数を増やす

キーワードの「語源」や「逸話」などを調べてみてください。特に、「英単語」であれば、英語圏のサイトを調べてみることで、新たな発見があります。英語が苦手な人でも、Google翻訳などを使えば、ある程度の意味は把握できるはずです。もし、日本語と英語(オリジナル)とで、言葉の意味やニュアンスが違う場合には、その解説をすることにより、読者に「へえ~、そうなのか。知らなかった!」と、感銘を与えることができます。

また、スペルの長い単語の場合には、単語を「接頭語」や「接尾語」などに分解して、それぞれを説明していく方法もあります。

日本語の単語の場合には、何らかの歴史や逸話があるかもしれません。それを調べて、本文の冒頭で紹介すれば、読者の心を掴む可能性が高まります。この言葉は中国の唐の時代に・・・とか、日本の戦国時代に・・・などです。

それが無理な場合には、そのキーワードの「類語」を調べて、類語について深堀する方法もあります。例えば、「〇〇に似た言葉に、××というものがあります。〇〇と××の違いは・・・」という展開方法です。

この方法論のメリットは、キーワードを自然と多用することになるので、検索エンジンに対しても「点数が上がる」はずだということです。つまり、SEO対策に繋がりやすいと考えられます。


3.読者に「ズームアウトの情景」を思い浮かべてもらえるように書く

例えば、「リンゴ」というキーワードについて書く場合、リンゴの「見た目(色・形)」「香り」「肌触り」「かじった時の音」「食感」「味」などについて詳しく描写します。人間の五感に訴えかけるような描写です。これは、小学校の作文でも教わるはずです。

それを、写真やイラストで補うことが出来れば、なお良いでしょう。

さらに、リンゴだけに焦点を当てずに、その周囲の情景を描写することも考えてみてください。「自宅のダイニング」だとか、「家族とピクニックに出掛けた公園」だとか、そのリンゴを含めた「引いた」(ズームアウトした)映像の描写です。

薄暗くて寒いキッチンの流し台で、一人ぼっちで立ちながらリンゴの皮を剥いている風景。あるいは、春の陽気に誘われて、ピクニックに出掛けた家族が公園でお弁当箱のフタを開け、明るい日差しが輝く中で子供達がリンゴにフォークを突き刺す風景。

どちらも同じ赤くて美味しいリンゴだとしても、全く違う情景が頭に思い浮かぶはずです。


4.誰もが抱く共通の感情について書く

どのような出来事に対してどのような感情を抱くのかは人によって千差万別ですし、その出来事に対する寛容度・許容度は人によって幅があります。それどころか、同一の人物であっても、その日の体調や精神状態、あるいは、気候によって対象となる出来事への受け止め方は変化します。

それでも、多くの人が共感できる「緊張すること」「イラっとすること」があるのも事実です。

「大勢の人の前でのスピーチ」「仕事関係の初めての訪問先」「金額の大きな契約書へのサイン」などは、誰もが緊張するでしょう。また、「退社の定刻5分前に依頼された残業」や「忙しい時の売り込みの電話」には、誰もがイラっとするはずです。

例えば、「コールセンターの仕事」についてライティングする際に、
・未経験者にとっては、どんな職場であっても緊張するものです。
・仕事から帰ってきて夕食の準備をしている最中に営業電話が架かってくるとイラっとします。それがわかっていて、電話を架けるのは辛いかもしれません。
・そんな苦労も、お客さまの「ありがとう!」の言葉に救われます。
など、誰もが共感できる「感情」について触れることで、臨場感が湧きますし、気持ちも引き込まれます。


5.自分のエピソードを書く

自分の体験をもとに書くことで、具体的に詳しく説明できることがあるはずです。ただし、自慢話になってしまわないように、あるいは、読者の気分を害する内容にならないように注意することが必要です。自身のエピソードを活用する場合には、一般的な感覚から大きくずれていないかチェックしてください。

無難なのは、自分の失敗談です。かつて、誤解・勘違いしていたこと、今も後悔していることなどでも良いでしょう。今となっては「笑い話」にできるようなエピソードがあれば最高です。


6.複数の異なる立場の人の視点で書く

「同じことを繰り返しダラダラ書いてしまう」という場合には、この方法が効果的なのではないでしょうか。

一本調子で自分の意見・考えを述べるのではなく、いろんな立場の人達の意見を妄想して(想像して)書いていきます。

・初心者・未経験者は〇〇〇と感じるかもしれません。逆に、ベテラン・専門家であれば、×××と捉えるでしょう。
・男性ならば〇〇〇という行動を取る可能性が高いでしょう。一方、女性は、×××かもしれません。
・20代の若者であれば、〇〇〇を好むでしょう。しかし、65歳以上の高齢者は×××を好むはずです。
・会社の経営者は〇〇〇という言葉を好みます。従業員は、反対に、×××という言葉を好みます。
・アメリカの大統領なら〇〇〇と考えるはずです。けれども、アメリカの上院議員・下院議員は、×××と考えるはずです。

いろんな立場の人達がどう感じ、どう考えるのか。その理由や背景についても言及していけば内容が膨らんでいきますし、自然と文字数も増えます。自分の中で、いろんな立場の人々を想像して、その人達に議論してもらうのです。


7.違う地域に住む人の視点で書く

さきほどの「違う立場」の変化形です。

・東北地方では〇〇〇と言いますが、九州地方では×××と言います。
・中国では〇〇〇と考えられますが、ヨーロッパでは×××と考えることが普通です。

のように、特定の地域の文化や風習から「キーワード」について考えることで話を膨らませていきます。


8. 過去や未来の視点で書く

先ほどは、「空間」を移動しましたが、「時間」を移動させることで異なる視点から話を膨らませることもできます。

100年前には当然であったことが、現在を生きる私たちにとっては「不思議」であったり「馬鹿げている」ことがあります。と言うことは、私たちにとって当然のことであっても、100年後の未来の人類にとっては「不思議」で「馬鹿げている」可能性もあります。

試しに、100年前(や、もっと前の時代)を生きた人々の視点で、あるいは、100年後を生きる人々の視点で、あなたの選定した「キーワード」を語ってみては如何でしょうか。


9.「もし、それが存在しなかったら」を想像して書く

これは、「リスク発想法」と呼ばれるものを参考にしています。

例えば、対象となるキーワードが「歯ブラシ」だとします。

もし、この世に「歯ブラシ」がなかったとしたら、あなたはどうしますか?
指で歯を磨くという人もいれば、歯磨き用の液体でクチュクチュするという人もいるでしょう。あるいは、人によっては甘いものを控えるかもしれません。

・・・という感じで、私たちの生活の中でその存在が当たり前であるものが「もし、なかったとしたら・・・」という条件を設定することで、想像が膨らむはずです。

そして、「歯ブラシ」が当たり前のように存在してくれることに対して感謝の気持ちを表すというのがオーソドックスなオチになります。


10.時間が経ってから、再び、書く

これは多くの人がやっていると思います。 午前中に書いたものを午後に見直す。あるいは、違う日に文章を見直すことで、内容を書き足したり書き直すことができます。1時間前に自分が書いた文章であっても、他人が書いたような気がする場合もあります。本当に不思議です。


世の中には、3000文字や5000文字の文章を一気に書き上げることのできる、文才に恵まれた人もいるでしょう。しかし、私のような凡人には、3000字の作文はかなりの重労働です。そんな私のように長文の作成に苦心される方は、ここに書いた方法論を試してみては如何でしょうか。