広告と広報。似たような言葉ですし、2つの用語の意味を混同している方も多いのではないでしょうか。
英語で広告は、advertisement(略してad/アド)。一方の広報は、public relations (略してPR) です。日本語では漢字2文字の似たような単語ですが、英語だと明らかに違うものだとわかります。
広告は、利用料金を支払って、広告コンテンツ(発注者が掲載したい内容)を媒体(テレビや新聞などのメディア)にそのまま掲載してもらうものです。発注者は料金を支払う立場なので、与えられたスペースに好きな内容の広告を掲載することができます。ただし、媒体側のチェックを受けることが必要です。
一方の広報は、広告と違って媒体(メディア)への掲載に費用がかかりません。その代わりに、媒体に記事として掲載される内容は、媒体側が決めることになります。また、お金を払わずに記事を書いてもらうためにはニュースとしての価値が必要です。
企業の担当者からすると、例えば、新聞の広告欄に出稿するのが広告活動で、新聞の記事として取り上げてもらうことが広報活動になります。
できることであれば、お金を使わずに媒体(メディア)に取り上げてもらいたいと考えるのが企業側の思いでしょう。テレビ番組で紹介されたり全国紙に記事として掲載されれば、宣伝効果は抜群です。
しかし、国や自治体、あるいは大手企業・有名企業がテレビの情報番組や新聞記事として取り上げられることはあっても、中小企業やベンチャー企業にとっては、そう簡単なことではありません。
そこで、中小企業・ベンチャー企業が最初にねらうべきなのは、ウェブ媒体や専門誌・業界紙などのメディアピラミッドの下層(現代の若者にとってはテレビや新聞がメディアの頂点だとも言い切れませんが・・・)に位置する媒体です。
その理由は2つあります。
1つめは、単純に、ウェブ媒体に掲載されれば、Google や Yahoo! の検索結果に表示されて宣伝になるからです。
2つめは、比較的ハードルの低いところからメディアへの露出を果たすことで、その上の層のメディア関係者の目に留まって、新聞やテレビへとメディア露出の連鎖が生まれる可能性があるからです。どんな媒体も、いつもネタを探していますので、ネットで話題になっていれば媒体側から取材の依頼があるかもしれません。