会社のホームページのことを、会社案内の綺麗なパンフレット程度にしか考えていない経営者の方も多くいらっしゃることでしょう。
そのような企業では、社長のあいさつ、会社概要、事業概要、アクセスマップ、住所、代表電話の電話番号・・・くらいがホームページに掲載されていて、イメージ重視でとても綺麗なホームページを作られているはずです。
そのようなホームページを持つ企業では、おそらく、『今時ホームページがないのは、さすがに恥ずかしい』『一応、形だけでも持っておこう』『ホームページに大きな期待はしていない』という認識をお持ちなのではないでしょうか?
しかし、世の中に、「ウェブ・マーケティング」や「コンテンツ・マーケティング」という言葉があるように、ウェブサイトによるマーケティング活動に取り組む企業もたくさんあります。例えば、企業ホームページとは別に、ウェブ・マーケティング用にプロダクト専用のウェブサイトを立ち上げることもあれば、企業ホームページの中にウェブマガジン的な要素を持たせる場合もあります。
その選択肢はいろいろとありますが、いずれにしても、ウェブ(ホームページ)にマーケティング的な役割を担わせているわけです。
ちなみに、「マーケティング」とは、(いろんな人がいろんな定義をしていますが)ここでは B to B ビジネスを想定して「何らかの施策によって営業員の前に見込み顧客を連れてくること」としておきます。ですので、「ウェブ・マーケティングとは、ウェブを活用して見込み顧客を創出すること」を意味しますし、「コンテンツ・マーケティングとは、コンテンツ(記事や動画など)によって見込み顧客を創出すること」を意味します。
これから、「ウェブ・マーケティング」や「コンテンツ・マーケティング」に真剣に取り組もうと考えている企業の経営者/担当者もいらっしゃるでしょう。
そういう方々に向けて・・・。
ウェブ・マーケティングも、コンテンツ・マーケティングも、どちらもマーケティングの手法の1つに過ぎません。従って、まずはマーケティングの基本に忠実に・・・という発想が大切です。
ウェブだから、コンテンツだから、と言って、強力な飛び道具を手に入れられるような気になるかもしれません。しかし、何事も基本ほど大切なものはありません。
マーケティングの基本と言えば、まずは、PEST分析などで、世の中の流れを把握すること。
その次に、STPです。STPなんて、今さら、古くさいと思う方もいらっしゃるでしょう。
世の中には、まるで、マジックのような新しい手法を宣伝する人たちもいます。
しかし、どんなに世の中が変わっても、STPの必要性は不変だと思います。
それでは、STPとは?
STPの「S」は市場の細分化(Segmentation)、「T」はターゲティング(Targeting)、「P」はポジショニング(Positioning)です。
セグメンテーションでは、市場をどのような軸で、どのように分割するのかが論点となりますが、ウェブ・マーケティングでの市場の細分化は従来よりも「より細かく・・・」が良いのかもしれません。従来であれば、市場を細分化しすぎると、セグメントの規模が小さくなって十分に顧客を集めることができなかったり、そのセグメントにアプローチできないことが問題でした。しかし、ウェブでは、細かくセグメンテーションすればするほど、Google検索結果で1位に表示される可能性が高まりますので、見込み顧客にアプローチできる可能性も高まります。
ターゲティングは、細分化された市場のうちの「どのセグメントを狙っていくのか?」を考える作業です。リアルな世界では、全てのセグメントをターゲットにするとリソース(資金や人員など)が全く足りなくなるので、どのセグメントを狙うのかという「ターゲティング」がともて重要です。しかし、ウェブの世界では、うまくやれば全てのセグメントを狙うことができますし、少なくとも複数のセグメントをターゲットにすることができます。知恵を絞って、リソースを増やすことなく、ターゲットを拡大して、見込み顧客を増やす。それができれば貴社でも大幅な業績アップが見込めるはずです。
最後に、ポジショニングについてです。ポジショニングとは、そのセグメントの中で、「競合他社と比べて自社をどこに位置付けるのか?」、つまり、「自社を顧客からどう見えるように仕向けるのか?」という作業です。先ほど述べたように、リアルな世界に比べてウェブの世界では、「より細かくセグメンテーション」して、かつ、「より多くのセグメントをターゲットとする」ことが可能です。そのために、ターゲットとなるセグメントの数が、従来よりも圧倒的に多くなります。
そのターゲットとする大量のセグメントの1つ1つで、違ったポジショニングの方策を考えていくことはとても大変な作業になります。ですから、ポジショニングは、1つの共通の発想で実現させられることが理想です。1つが無理なら、2つ~3つ。いくつかのセグメントで共通化できるポジショニングの方策(例えば、企業のブランド力など)を見つけ出せれば、ウェブ・マーケティングの効率は飛躍的に高まります。
もし、STPについての知識が不足している場合には、基本に立ち返って、STPについて学ぶことが必要です。その上で、ウェブ・マーケティング、コンテンツ・マーケティングならではの特性を、貴社のマーケティング活動に役立てられては如何でしょうか?