バンドワゴン効果|経済行動の心理学

バンドワゴン効果とは、「時流に乗っている側」「政党や主義などで人気のある側」だと人々に認識されることによって、さらに人が集まったり、人気や支持が加速する状況が作り出されることを意味します。

バンド(band)とは、楽団/音楽を演奏する団隊 という意味です。

また、ワゴン(wagon)とは、「四輪の荷馬車」のことでしたが、自動車が登場してからは、車内に荷物を積む広いスペースがある乗用車(ワゴン車)を意味するようにもなりました。

このように、バンドは「楽隊」で、ワゴンは「荷馬車」や「ワゴン車」のことですので、バンドワゴンとは「パレードの先頭を進む音楽隊の乗る荷馬車」や「音楽隊の乗る楽隊車(自動車)」のことを意味します。

このバンドワゴンは、賑やかで、人目につき、目にした人の心をワクワクさせ楽しい気持ちにさせてくれます。そして、バンドワゴンを見れば、何かが起こる期待感が膨らみます。多くの人が、バンドワゴンにポジティブなイメージを抱きます。

もし、あなたが街角で偶然に「バンドワゴン」を見かけたら、ちょっとうれしい気分になるのではないでしょうか。そして、「何か始まるのかな?」「何かのお祝いなのかな?」と思うはずです。

そんなバンドワゴン(音楽隊)には、その後に続いて行列ができることも珍しくありません。そして、その行列のおかげで、より多くの人々の注目が集まり、その後に続く人達がどんどん増えて盛り上がっていきます。

キャンプファイヤーでは最初の着火に苦労しますが、火種さえ生まれれば、その後はどんどん火が大きくなっていきます。それと同じように、バンドワゴンに人が集まり始めれば、その後はどんどん人が集まり続けます。

バンドワゴンに人が群がるのと同様に、「時流に乗っている側」「政党や主義などで人気のある側」には、どんどんと人が集まります。多くの人々は、勝ち馬に乗りたがるわけです。それをバンドワゴン効果と呼びます。

つまり、バウンドワゴン効果とは、多くの人々が支持しているものに対して、残りの人々からも支持が高くなりやすい現象のことです。これは、「世の中の流行に乗り遅れたくない」「勝ち馬に乗っておきたい」「自分だけが損をするのは御免だ」という人間の心理から起こるものでしょう。

これは、行動経済学に登場する「損失回避性」にも通じるものです。

それをマーケティングで活用しているのが、「〇〇業界でNo.1」「ご利用者〇〇万人突破」などのキャッチコピーです。「そんなに売れているのなら買ってみようかな」と思うのが人間の心理です。ネット通販の「評価」や「口コミ」も同様です。

企業は、このバンドワゴン効果をうまく活用すれば良いでしょう。そして、消費者はバンドワゴン効果について理解した上で賢く判断する必要があるでしょう。