量子コンピューター|DX(デジタルトランスフォーメーション)の用語

量子コンピューターとは、量子力学的な発想で構築されたコンピューターのことです。

量子力学では、量子(ニュートリノなどの極小の粒子)が「物質」と「波動」の両方の性質を持ち、観測される場面では「物質」としての振る舞いを見せます。その量子が「物質」と「波動」の両方の性質を持ち合わせるのと同様に、量子コンピューターの基本要素である「量子ビット」は「0」と「1」の両方を同時に持ち合わせます。

これまでのコンピューター(古典コンピューター)の計算の最小単位は「ビット」と呼ばれるものです。ビットは「0」か「1」かの2進数に基づくもので、その瞬間は「0」か「1」のどちらかの状態です。

それに対して、量子コンピューターの基本要素である「量子ビット」は、同時に「0」 と「1」 の両方であることができます。まるで、量子が「物質」と「波動」のどちらの性質も合わせもっているようなものです。そして、観測される時に量子が「物質」の振る舞いに収束するのと同様に、量子ビットも観測される時には「0」か「1」かのどちらかを示します。

そして、量子が波動として強め合ったり打ち消しあったりするように、量子ビットも強め合ったり打ち消しあったりします。これを、量子の重ね合わせと呼びます。

この量子コンピューターは、古典コンピューターとは異なる仕組みですので大きな可能性を秘めてはいますが、万能というわけではありません。最近、「古典コンピューターで1万年かかった計算が、量子コンピューターを使って数分で解けた」と話題になりましたが、それは、量子コンピューターが得意とする特定の問題を解いただけにすぎません。

今は、理想の量子コンピューターが登場する未来に向けて、量子コンピューターに特化したアルゴリズムなどを開発していこうという段階です。

30年前に並列コンピューターが話題になったものの、並列処理できる対象が限られるために話題にならなくなりました。今後、量子コンピューターも同じような道を辿るかもしれません。

ただし、量子コンピューターが因数分解を得意としていて、因数分解を基にする「RSA暗号」を容易に解読してしまうことだけは間違いなさそうです。これまで現実的な時間では解けなかったものが解けてしまうため、新たなサイバーセキュリティの手段を探求することが求められています。