BYOD ビー・ワイ・オー・ディ|DX(デジタルトランスフォーメーション)の用語

海外のレストランでは、BYO(ビー・ワイ・オー)という表示を目にすることがあります。BYO とは、Bring Your Own の略で「ワイン持ち込みOK」のレストランを意味します。お酒を飲みながら食事をしたいと思う人は多いようですが、お酒を提供する免許のないレストランでも、そのような人達を客として取り込めるようにと考えたのが始まりのようです。その後、ワインに限らず酒類全般を指すようになったとも言われます。

その他にも、英語では 「Bring your own ~」という表現が使われます。これは、お店側の視点での表現になります。しかし、何故か日本では「マイカップ」「マイバッグ」など、顧客視点での表現になります。「お客さまは神様」という文化のせいなのか、「ユア」より「マイ」という英単語に馴染みがあるからなのかはわかりませんが・・・。

さて、ITの世界で、BYOD とは Bring Your Own Device の略で、会社などの自分が所属している組織の仕事をこなすために、自分のパソコン・タブレット・スマホなどを使うことを言います。ワインではなく、自分のデバイスを持ち込むということです。きっと、日本では、「BYOD」よりも「マイデバイス」と言ったほうが理解されやすいはずです。

このBYODには、いくつかのメリットがあります。

例えば、自分が使い慣れた端末を使うので、操作に慣れていて生産性が上がることが考えられます。もし、個人用でアンドロイドのスマホを使っている人が、仕事用にだけ iPhone を使うとなると「えっと、どうするんだっけ・・・」と操作方法に戸惑うこともあるでしょう。

逆に、個人用のスマホを会社の仕事にも使えれば、端末自体の使い方を教える手間がかからないのでヘルプデスク部隊の負荷も減りますし、会社用と個人用のスマホを2台持たなくて良いこともメリットでしょう。

ちなみに、米国などでBYODが広まった背景には、クラウドサービスが普及したこともあります。

もちろん、BYOD にはデメリットもあります。その最たるものは、セキュリティ(情報漏洩)の問題です。それを防ぐために、従業員が個人所有するモバイル端末を管理するシステムの運用が考えられます。もちろん、その運用の負担や、個人端末のプライバシー保護などが問題となります。

日本では、リスクを冒さず、どうしても根性論になりがちですし、生産性に重きを置かない日本人の気質とBYODとの相性は悪いかもしれません。

ただし、米国などでは BYODがかなり普及しているということは、知っておいたほうが良いでしょう。