サブスクリプション|DX(デジタルトランスフォーメーション)の用語

英語のサブスクリプション(subscription)とは、元々、寄付金・予約購読・予約出版・予約代金、会費などの意味です。

米国の新聞の定期購読ではお馴染みの言葉ですし、定期購読をしている人をsubscriberと呼びます。

そのサブスクリプションという言葉が、わざわざ日本で広まったのは、米国発のネット動画配信サービスや音楽のデジタル配信サービスが日本に上陸してからだと思います。

2010年頃、テレビ画面を利用する有料の映像サービスは、ケーブルテレビやCS放送のようなチャンネルでの契約が主流でした。その後、インターネット回線の大容量化が進んで、ネット回線を利用したVOD(ビデオオンデマンド)というサービス形態が登場しました。それまで、レンタルビデオ屋さんで映画やドラマなどをDVDやブルーレイで借りて視聴していたのが、自宅でリモコンのボタンを押すだけで視聴できるようになりました。VODはとても便利なサービスでしたが、1作品あたりの視聴に対して課金されるという課金モデルは従来のレンタルビデオと同じ発想でした。そして、便利なだけについつい見過ぎてしまって料金がかさむという問題がありました。子供がいる家庭では、知らない間に子供がVODでアニメを次々に視聴しているということもありえます。

そこで、登場したのが、米国の定額制のネット動画配信サービスです。VODのような従量課金(使った分だけ利用料が増える仕組み)とは違って、どれだけ使っても定額なので安心してサービスを利用することができます。例えると、VODは、毎回、切符を買って電車に乗ることに似ています。利用した分だけ、料金を支払う仕組みです。一方のサブスクリプションは、定期券で電車に乗るイメージです。使える範囲は限られていますが、期限内では何度でもサービスを利用することができます。(たまにしか外出しない人にはデメリットでしかありませんが。)

つまり、映像サービスにおけるサブスプリプションモデルは、ケーブルテレビのチャンネル契約(定額料金制)と、VOD(好きなものを好きなときに見れる)の良いところを併せ持ったサービスだと言えます。また、最初は無料で利用できたり、いつでもすぐに解約できることも加入者が増えた要因だと考えられます。

音楽のデジタル配信サービスも同じような流れです。ネットで音楽を1曲ずつ購買するスタイルよりも、サブスクリプションモデルを好む消費者がいるようです。

ところで、動画配信サービスや音楽デジタル配信サービスでは、加入者が増えた場合に、サーバーやネットワークなどの増強をする必要はあるかもしれませんが、商品である動画や音楽のデジタルデータが劣化することはありませんし、大きく原価が増えるわけでもありません。それがデジタル商材の特性です。

最近、サブスクリプションという流行りのビジネスモデルに乗り遅れまいと、いろんな業種で定額制を導入する動きが見られますが、物理的な製品が必要な場合には、使えば使うほど商品そのものが劣化します。また、人手が必要なビジネスの場合には、無制限にサービスを利用されると、どんどん原価が膨らみます。そのために、サブスクリプションモデルがうまくマッチする業種と、そうでない業種を見極める必要がありますので、ご注意を。

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