女性研究プロジェクト:社長対談3-働く女性の幸せについて語るー

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関電ダイバーシティ森田様・野地社長対談

 

当社の自主調査で、個人の「現在のしあわせ」に、「家庭」がもっとも大きく影響し、次いで「個人の生活」となり、「仕事」の影響が一番低いという結果であったことは、すでに第1弾の対談でご紹介の通りです。

今回は、森田様をお迎えしていることもあり、特に「仕事の満足度」と「しあわせ」の関係について着目し、引いては、関西電力のダイバーシティについても、重点的にお話をお聞きしました。(以下敬称略)




<仕事の満足度としあわせについて>

 

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野 地
当社の自主調査で、個人の「現在のしあわせ」に、「家庭」がもっとも大きく影響し、次いで「個人の生活」となり、「仕事」の影響が一番低いという結果でしたが、この点についてどう思われますか?


森田



「しあわせ」という言葉が、仕事から得られる達成感や自己成長感・肯定感、つまり、自分は社会の一員であり、働くこと自体が社会を支える要素になっているという前向き感と上手くすりあっていないからのように感じます。


野 地

どのようにすれば「仕事の満足度」が「しあわせ」に繋がるでしょうか。前向き感は「しあわせ」に繋がりますか?

 

 

 

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森田
「仕事を“しない”ことから得られるもの > 仕事を“する”ことから得られるもの」と考える人は「仕事の満足度」を「しあわせ」に繋げるのは難しいと思います。仕事と家庭、どちらかがもう一方の犠牲になっていると感じるのではなく、それぞれの良い面を受け取るためにどちらも頑張ろうという気持ちで臨めばどちらからもしあわせを感じられるのにもったいないなぁと。

仕事の満足度というのは、仕事を通じた「自己肯定感」をどれだけ高められるか」ということだと思います。そのために、まずは、目の前の仕事をしっかりやること。特に若いうちはもがき苦しい経験もあるかもしれませんが、がんばってやり遂げることですよね。それを積み重ねていれば、いつか振り返って、「こんなに出来るようになった」と自分で気づき、自分を肯定できるものになるし、そういう頑張りって必ず他の人が見ていて、自分が気づいてなくても他の人から指摘してもらえるものだと思います。

 

 

野 地

 


関西電力に転職されてきたのは、東日本大震災が起こった直後という大変な時期でもありましたよね。そんな時期から6年間活動されてきて、いかがですか? 仕事の仕方や仕事の満足度は、P&Gと関西電力では違いますか?

 

 

森田

 

 

 

 

 

 

仕事の仕方は全然違いますが、仕事の満足度はむしろ今のほうが高いと思います。ダイバーシティ推進の意義や、様々な取組みの結果、活動における人と人とのつながりなどを直接感じられるからだと思います。震災直後からの大きな変化の中で、中途入社ではあるものの、同じ関西電力社員として時間と空間を共有しながらダイバーシティ推進の活動に取り組めることに、やりがいを感じています。

 


<女性活躍推進について>

 

野地社長

 

野 地
活動を始められた6年前と比べ、関西電力の女性活躍はどのように進んでいますか?苦労されていることは何ですか??


森田



「全体における女性の採用比率も高くなり、役職に就く女性の数も増えてきました。野地社長のように、主要なポストで活躍する女性も出てきていますので、女性が職場にいて男性と同様の仕事をしているという状態は出来てきたと思います。育児期でも辞めずに続けられる環境は整っていますが、その中でどれだけ自分を律して仕事を頑張るか、女性本人の意識や意欲が問われています。並行して特に若手のうちに、自己肯定感につながる仕事の面白さや達成感をどれだけ味合わせるような育成ができるか、育児期にも両立を支援しながら、成長に資するような業務付与や働かせ方ができるか、上司の力量も鍵になっています。

 

 

<ダイバーシティ推進と働き方改革について>

 

野 地

働き方改革について、どこから手をつけるのが良いと思われますか?

森田

まずは会社がリードして、無駄な仕事を排除し、生産性を高める仕事の仕方を奨励したり、長時間労働を是としない組織風土作りなど、会社が旗をふって、全体を変えるのが働き方改革だと思います。そうすることが、制約のある人、働きづらさを感じていたマイノリティの人の働きづらさを解消することにつながり、結果として誰もが働きやすい職場となります。

 

関西電力 森田様

 

ただ、一点、よく誤解されるところですが、ダイバーシティが大切にされる時代だからと言って、「向上意欲や貢献意識を感じられないような働き方も多様性の一つだから認めましょう」というのは違うと思っています。会社やビジネスモデルによっては、1日2-3時間の就業でもありがたいケースもあれば、フルタイムが望ましいなど、就業形態は様々でしょうが、いずれにしても働き手として、やるべきことをしっかりやって、期待される責任を果たしていくということが働くということだと思います。 時間などの制約がある人も、その中で持てる力を最大現発揮してもらうことは、会社が従業員に求めて当然だと思います。そして従業員側もそれに応えるのが被雇用者としての責務だと思います。会社がやるべきは、一人ひとり個別に力を発揮しにくい要因がある時に、その阻害要因を会社が取り除いてあげるか、その要因があっても働ける環境や仕組みを整えてあげるということ。そうすれば力を発揮して働いてもらえるのです。

 

野 地

 


森田さんは、ダイバーシティの中で常々「ちがいは、ちから。」とおっしゃられていますよね。多様性を力につなげて、いかに仕事の成果に結び付けられるかが重要ですね。

 

 

森田様 野地社長


社長対談第1弾~第3弾までは、「働く女性のしあわせ」をテーマにしてきましたが、次回からは、今回の対談でも話題にあがった「働き方改革」に焦点をあてる予定です。

※この対談は平成29年3月10日に行われたものです。

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