2021.06.01
正しい戦略と間違った戦略

経営戦略、マーケティング戦略、営業戦略・・・。
会社で働いていると、いろんな場面で「戦略」という言葉を耳にします。
また、「戦略」に似た言葉で「戦術」という言葉もあります。
「戦略」とは、比較的長いスパンで高い視座と広い視野でもって全体の最適化を図る戦いの基盤となるもの。そして、「戦術」は局所での目先の戦い方です。
例えば、戦争で言えば、長期戦を見据えて相手の補給路を断つ、あるいは、自らの補給路を地下に建設して敵の近くから攻撃する体制を整える、などの大掛かりなものが「戦略」です。一方、目の前にいる敵の後ろ側に回り込んで前後から挟み撃ちで砲撃するのは「戦術」です。
営業で言えば、今後の世の中の流れを想定して、対面営業からリモート営業へシフトしていくことは1つの「戦略」です。
その中で、リモート営業での会話の勝ちパターンを試行錯誤するのが「戦術」という感じでしょうか。
その昔、「ベンチがアホだからやってられない」と怒りをぶちまけたプロ野球のピッチャーがいました。
企業の活動も同じで、現場でどれだけ素晴らしい「戦術」で戦ったとしても、元々の「戦略」が間違っていれば、もちろん成果には繋がりません。
では、その「戦略」が正しいかどうかを見極めるには、どうしたら良いのでしょうか?
マーケティングで言えば、「STP」「4P」「3C分析」「5F」などの古めかしいフレームワークを使う場合もあるでしょう。もちろん、それを埋めたからと言って、本当に正しい戦略かどうかは誰にもわかりません。本当のところは、やってみないとわかりません。
逆説的ではありますが、ただ1つ確かなことは「正しい戦略はスタートしてすぐに何らかの反応がある」ということです。
それは、顧客からかもしれませんし、身内からかもしれません。
元々、期待していたほどではないけれども、小さな仕事が入ってくる。顧客の間で話題になる。自社の営業員が喜んでくれる。
正しい戦略では、いきなり何かが起こります(現象が現れます)。そして、それを推し進めていくうちに、本来求めていた結果に近づていきます。
しかし、間違った戦略の場合には、何も変化が起こりません。
それでも、「もう少し頑張ればどうにかなる」と思って頑張ることになります。
でも、何も起こりません・・・。
「石の上にも3年」という言葉があります。
3年くらい頑張ればどんなことでも結果に繋がるものだ、という意味で一般的に使われていると思いますが、「戦略」に関しては3年も経って成果が出ないようなら全く駄目だと見切りをつけなくてはなりません。
厳しいですが、それがプロの世界です。