2022.04.06
経済の根本的な問題は、供給過剰です。

経済や経営について語るとき、長年、日本のデフレが問題視されてきました。
ソ連が崩壊して、低賃金の東欧諸国が西側の経済圏に参加することになり、中国が台頭し、東南アジアも製品の生産量を増やし、日本は自由貿易を続けているわけですから、あらゆるものが供給過剰になります。日本国内の工場でも、可能な限りロボットを導入して生産性の向上に励んでいます。「すべてのものはコモディティ化する」という言葉がありますが、まさにその状態で、おおよそのものは価格競争に陥っています。
ビジネススクールでは、「ブルーオーシャンを探せ」とか、「差別化が大切だ」とか、「ブランド戦略を考えろ」などと言いますが、現実の世界はそんなに甘くはありません。何故ならば、あらゆるものが供給過剰だからです。
しかし、2年前に、新型コロナウィルスの感染拡大が始まった頃、「マスク」が品薄になり、マスク50枚がネット通販で2万円で売られていました。
現在は、原油と天然ガスが不足して価格が高騰しています。半導体も不足しています。差別化とかブランド戦略などを考えなくても、供給不足になれば、価格は高騰します。実は、それだけのことです。
逆に、供給過剰になれば、何をどう頑張っても激しい価格競争になります。
今、コールセンター業界は、供給過剰の状態に陥りつつあります。
テレワークが進んで都心のビルの家賃が下がりコールセンターが開設しやすくなりました。そこに、コロナ対応で国や自治体からコールセンター運営の予算が供給されたので新設のコールセンターが増えました。
しかし、そのコロナ対応が一息ついた状況となり、そのあとに期待していた、観光・旅行系キャンペーンがまだ始まりません。
ここまではコロナ特需の恩恵を受けてきたコールセンター業界ですが、しばらく需給調整で苦しむかもしれません。とは言え、これからコールセンターへのアウトソーシングを始める企業からすれば、今がチャンスなのではないでしょうか。