BLOG

2021.05.11

「怒り」という感情は何のためにあるのだろう?

炎

GW中に、子供向けのアニメ映画を見ました。

主人公は、怒りん坊の鳥「レッド」。レッドは、鳥の仲間たちと島で暮らしていますが、怒りん坊なので友達がいません。 すぐに癇癪を起こしてしまうので、島にある「アンガーマネジメント教室」に送り込まれるところから映画が始まります。

そんなある日、「レッド」が暮らす鳥たちの島に、大きな船に乗ってブタがやってきました。 最初、ブタは2匹しか姿を見せないのですが、実は船の中には大量のブタが潜んでいます。 うまく島への上陸を果たしたブタたちは、徐々に、島の住民(鳥たち)と打ち解けて、毎日パーティで盛り上がるようになります。しかし、実はブタたちは、鳥のタマゴを狙っていたのです。

そして、ある日、鳥たちがパーティで盛り上がっているうちに、ブタは島中の全てのタマゴを盗んで、船で自分たちの島にタマゴを運んで帰ってしまいます。

それを知った島の鳥たちは、みんなガッカリしますが、「レッド」は怒りに燃えてリーダーとしてブタの島に乗り込みブタたちと戦います。そして、最後にタマゴを取り返す・・・という物語です。

この、如何にも子供向けの映画を見て、考えさせられました。

「怒り」という感情は、どちかと言えばネガティブに受け取られてしまうところがあります。 うまくコントロールしないと、人を傷つけたり、人に嫌な思いをさせてしまう。だから、アンガーマネジメントのスキル(怒りを感じた最初の7秒間、他のことを考えて気持ちを落ち着ける・・・など)が必要とされるわけです。

しかし、人間が持って生まれた感情には、それぞれに役割があるようです。

例えば、「悲しみ」や「寂しさ」は、持って生まれてこなくても良さそうなものですが、そういう感情があるからこそ、人への思いやりの心が生まれたり、逆に、人から思いやられることがあるわけです。他人や自分を愛おしむ心のベースには、「悲しみ」や「寂しさ」があるのです。

それと同様に、「怒り」にも重要な役割があります。 それは、「怒り」の感情が、「行動力」「突破力」「爆発力」となって、難しい課題を解決するための原動力に成り得るということです。ブタの島に乗り込んで、みんなのタマゴを取り返してくれた「レッド」がそれを教えてくれています。

怒りの感情を抑えらえるということは、もちろん大切なことです。しかし、それに加えて、人を傷つけることなく、うまく怒りのエネルギーを突破力として有効利用できるようになることが、本当のアンガーマネジメントなのかもしれません。