2021.05.20
とんでもございませんは、とんでもないことでございます?

相手に、褒めちぎられて、「いえいえ、とんでもございません。」
あるいは、馬鹿にしているのかと激怒されて、「とんでもございません!」
誰もが、そんなやりとりを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、本来、「とんでもない」は、1つの単語(形容詞)ですから、「とんでもない」を丁寧に言うと、「とんでもないです」、あるいは、「とんでもないことでございます」となります。
以前、高級ホテルの支配人が、さりげなく「とんでもないことでございます」と口にしているのをテレビで見たことがあります。そのときは、流石だなあと思いました。
ただし、「とんでもないことでございます」を連発されると、ちょっとイラっとするのも事実です。
ちなみに、文化庁の文化審議会答申(平成19年2月2日)では、「とんでもございません」の利用は、使い方によっては間違いではないとしています。
また、「とんでもないことでございます」と「とんでもございません」では使い方や意味に違いが生まれていることも指摘しています。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf
このようにいろんな解釈があるようですが、あまり難しく考えると何も喋れなくなるので、私は相手が誰であっても「とんでもないです」と言うことに決めています。