ポジショニング|STP|マーケティング用語

ポジショニングとは、ターゲットとする消費者の脳内において、自社(または自社商品・サービスなど)を「あるべきポジション」に位置付けることです。

もちろん、自社の理想のポジショニングを実現することは簡単ではありませんし、単に自社を「このポジションに位置付けたい」と願うだけでは意味がありません。自社の思いをターゲットとなる消費者に実際に共有してもらうこと、認知されることが「ポジショニング」のゴールです。

ちなみに、「xxxと言えば?」と聞かれて、何かを頭の中で思い浮かべることを「純粋想起」と言います。そして、その中でも最初に思い浮かべられるものを「第一想起」と呼びます。

消費者に自社を想起してもらいたい、「xxxと言えば?」と聞いた場合の「xxx」の部分が、自社が追い求めるポジションです。

例えば、身近にある食品スーパーについて考えてみましょう。

・高級食材が豊富なスーパーと言えば?
・肉/魚/野菜などの生鮮食品の鮮度が良いスーパーと言えば?
・美味しいお惣菜を売っているスーパーと言えば?
・品ぞろえが豊富なスーパーと言えば?
・値段が安いスーパーと言えば?

など、各スーパーの特徴が、消費者の想起につながっているはずです。
そして、それこそが各スーパーのポジショニングだと言えます。

当然、競合他社と差別化を図り、自社の強みを発揮することがポジショニングの目的です。 ただし、自社の「強み」「売り」が消費者のニーズとマッチしていなければビジネスは成立しません。

例えば、大多数の消費者の手が届かない高級食材ばかりを扱うような富裕層向けのスーパーではその立地は限られます。逆に、高級住宅街に激安スーパーを出店してもうまくいかないでしょう。

このように、ポジショニングは、セグメンテーションやターゲティングと連動したものでなければなりませんし、STPのあとに登場する4P(マーケティングミックス)とも同時並行的に検討を進める必要があります。

食品スーパーの例で言えば、

【Product】・・・商品のラインナップ、店舗のデザイン、店舗スタッフの接客レベルなど。
【Promotion】・・・折り込みチラシのデザイン、ホームページのデザイン、口コミなど。
【Price】・・・商品の価格帯、特売への取り組み方など。
【Place】・・・出店場所など

が4Pとして考えられます。

理想のポジショニングを実現するためには、これらの4Pを総動員する必要がありますし、逆に4Pを考えるためにはポジショニングが大切です。

このように、マーケティングにおける「ポジショニング」と「4P」は表裏一体のものであり、うまく整合性を取れるように努めなければなりません。