PEST分析|マーケティング用語

新規事業を検討するとき、あるいは、新商品・サービスを検討する際には、いきなりその事業や商品の細部を検討するのではなく、まずは世の中の動向を眺めることから始めるのが一般的です。

日常的に、私たちはネットやテレビなどのメディアに接することで多くの情報を得ているわけですが、新事業や新商品の開発にあたって、改めて世の中の動向を整理するために利用するフレームワークがPEST分析です。

このPESTとは、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの頭文字です。


それでは、PESTを順に見ていきましょう。

まず1つめ。政治(Politics)
「政治」で最大の関心事は、「規制(法律)」です。規制緩和がビジネスチャンスになることは、よくある話です。

TPPで貿易の自由化が促進されれば、日本の農産品を海外へ輸出することも考えられますし、逆に安い輸入品から国内の農業を守る方策を考えることで新たなビジネスが生まれるかもしれません。

ただし、どんなに良いビジネスのアイデアが生まれたとしても、日本の法律に違反する行為をビジネスとすることはできません。(例えば、ウーバーによるタクシーの代替行為など)


2つめ。経済(Economy)
日本のように長期に渡って賃金が上がらない社会では、低価格な商品がより競争力を持つことになります。100円ショップや牛丼チェーンが賑わうことがその証です。

しかし、普段は節約志向の人でも、こだわりの品(子供の教育や孫へのプレゼントを含めて)にはお金をかけても良いと考える人が多くいます。そのために、現代の日本においても高価格な商品が消えてなくなったわけではありません。

単に日本(または世界)の経済状況を捉えるだけではなく、「どんな時に」「どれくらいのお金を」消費する人が「どのくらい存在するのか」を把握する必要があると言えます。


3つめ。社会(Society)
その社会の慣習や文化に関わる視点です。

法律に縛られるわけでもなく、経済的な問題がなくても、世の中の多くの人々は社会通念や慣習・文化に縛られて行動します。

日本では、共働き夫婦が主流となっても、専業主婦が主流であった頃と子育てや家庭生活に関する考えは大きく変わっていません。PTAは平日に参加しなければなりませんし、子供の晩御飯には手作りの料理を食べさせる必要があります。そして、欧米諸国に比べて、男性の家事への参加は消極的です。そのため、働く女性への負担は重いものがあります。
(それが少子化の一因だと考えられます。)

そのような働く女性達の一助になり、かつ、社会通念的にも許容される商品・サービスがあれば、彼女たちに支持されるかもしれません。


4つめ。技術(Technology)
やはり、革新的な技術の登場によって、多くの新規事業や新商品・サービスが生み出されます。

最近、コンビニやスーパーの冷凍食品(チャーハンやラーメンなど)が美味しくなりましがが、それは冷凍技術の進化によるものです。急速に冷凍することで食品の繊維が潰れないから美味しさが保てる、冷凍用の器材が安くなったから地方の零細企業がご当地ラーメンを販売できるなど、技術とビジネスは大きく関係しています。

ただし、これまでにご説明した「政治」「経済」「社会」に制限されずに、その技術がうまく活用できることが必要です。


このように、新規事業・新商品・サービスの企画・開発がうまく進捗するためには、プロジェクトのスタート時点でPEST分析などを活用し、世の中の動向を正確に把握して自社にとって必要な情報を如何に上手に整理できるかがとても重要であることを忘れてはなりません。