希少性の原理(法則)|コールセンターの心理学

クワガタ

希少性の原理とは、希少性の法則とも呼ばれますが、希少性の高いもの(なかなか手に入らないもの)に人は価値を感じるという習性を表わすものです。実際には希少性がなかったとしても、希少性があると思い込んでしまえば、それが欲しくなるのが人間の心理です。

冷静に考えれば、日本は30年以上もデフレが続く社会です。その原因は、製造業の現場でロボットなどによる生産工程の自動化が進んでいることと、グローバリズムによって世界中の安い労働力が供給されているからです。ですから、平凡に暮らそうと思えば、溢れ返る汎用品(コモデティ)のみを購入して、あまりお金をかけずに暮らしていけるはずです。

しかし、それだけでは面白くないので、どうしても刺激を求めて、希少性の高い商品・サービスに消費者は反応してしまいます。一方、企業の側も、希少性を訴求することによって、商品・サービスの価値を高く見せて消費者の購買意欲を刺激しようとします。

その希少性には、「数量の希少性」と「時間の希少性」があると言われます。

● 数量の希少性

数量の希少性とは、その生産量や産出量などが少ないために、滅多に手に入らないことで希少性があるものです。

例えば、
・老舗の料亭が作るお節料理、限定30個
・ワインを飲ませて育てた和牛、しかも、1頭からほんの少ししかとれないシャトーブリアン
・鮭1万匹のうち1~2匹しか捕れない鮭児
・現地でしか食べられない民族料理
・スイスの職人が半年の時間をかけて作り上げる時計
・有名サッカー選手が着用したユニフォーム
・相撲の砂かぶり(溜席)
・プロ野球やJリーグのエキサイティングシート
・オリンピックやワールドカップの観戦チケット
・コンサートの最前列
・都内、駅近で、最上階、南向き、角部屋のマンション
・離島に生息する昆虫
などです。

オイルショック時のトイレットペーパーや、新型コロナウィルス感染拡大時のマスクなども希少性によって価値が高騰しました。

● 時間の希少性

一方、時間の希少性とは、「今、買わないと、もう買えないかもしれない」という時間的な制約を与えるものです。

例えば、
・閉店セール
・タイムセール
・通販番組などの「今回に限り」「今から30分以内のお申込みに限り」
・滞在時間が短い旅先での買い物
・動物園の動物の赤ちゃん(かわいいうちに)
などです。

この「数量の希少性」と「時間の希少性」が掛け合わさると、さらに強力な効果を発揮します。「数量限定の品」が「今だけ」「30分以内のみ」「早い者勝ち」と言われると、冷静さを失ってしまう人もいるはずです。


企業は、そのような希少性の原理をうまく活用して消費者の購買意欲を高めようと努力していますので、消費者もそれを理解した上で冷静に必要なものを購入する見極めが必要です。

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