カスタマーサポートをアウトソーシング・外注する際のリスクとは?

● カスタマーサポートとは

カスタマーサポートとは、お客様からの問い合わせに対応するコールセンターの業務であり、インバウンド(受信)業務を代表するものです。

「お客さまお問い合わせ窓口」として、お客さまが企業に何らかの問い合わせをする窓口であり、商品自体やパンフレット、会社のホームページなどに、その窓口の電話番号やメールアドレスが記載されています。

このカスタマーサポートの役割がコールセンター化すると、「カスタマーセンター」や「サポートセンター」と呼ばれるようになります。また、技術的な内容に特化した業務や窓口を「テクニカルサポート」「テクニカルサポートセンター」「ヘルプデスク」などとも呼びます。

● カスタマーサポートの 立ち上げ段階

スモールスタートした商品・サービスなどで、お客さまからの問い合わせが少ない段階では、電話対応を営業部門の事務スタッフが担当することも多いことでしょう。

しかし、 お問い合わせ件数が増えてくると、営業スタッフの業務が非効率になり、社内にコールセンターを立ち上げて設置することになります。 このように、電話対応の業務 (カスタマーサポート) をコールセンターに集約して営業部門から切り離し、営業スタッフの業務を効率化しようと考えるのは自然な流れです。

そのコールセンターの開設・設置に際して、コールセンターを社内で内製化するのか、それとも、社外にアウト-ソーシング(社外に設備と人員を外注)するのかの費用対効果を検討することになるでしょう。しかし、社外へのアウト-ソーシングに余程のメリットを感じない限り(多少のコスト差くらいでは)、社内から人員を集めて内製化することになります。当初は、何かと理由を付けてアウトソーシングを避けたいのが担当者の本音ではないでしょうか。

このように、規模が小さなうちは、設備費用などもあまりかからないので、カスタマーサポートを社内で内製化することが多いでしょう。しかし、さらに問合せが増えてくると、いろいろな問題が出てきます。設備・機材を整えるのに費用がかかる、人員が不足する、スタッフにより応対品質がバラツキすぎるなど。

● カスタマーサポート 業務をアウトソーシングする際の3つのリスク

そのうちに、コール数が増えるにつれて、そのまま社内でカスタマーサポートの内製化を続けるのか、それとも外部の力を借りるのか(外注するのか)を真剣に検討することになります。

リスク

しかし、ここでご注意いただきたいのは、カスタマーサポートのアウトソーシングには大きな3つのリスクがあることです。

そのリスクの1つめは、顧客情報の流出のリスク。2つ目は「顧客を失う」リスク。そして、3つ目はコスト削減どころか、「コストが増加する」リスクです。

(1)個人情報流出のリスク

コールセンター運営事業者であれば、 間違いなく相応のセキュリティ対策を施しています。 何故ならば、 万が一、 個人情報が流出すれば、 コールセンター運営事業者としての信頼に大きな傷がつくからです。 しかし、 アウトソーシング先に顧客情報を提供すれば、 自社に閉じている状況と比べてセキュリティが弱くなることは否めません。

物理的に離れた拠点へのアウトソーシングでは、通信回線などを通じで個人情報を提供する必要があります。自社の拠点内での作業に比べて、多少なりとも個人情報流出のリスクは高まります。

(2)顧客喪失のリスク

2つ目のリスクは、「顧客喪失のリスク」です。それは、カスタマーサポートをアウトソーシングすることにより、顧客の声が企業に届かなくなる(あるいは届くのが遅くなる)、顧客対応力が落ちることなどが原因です。社内のサポートセンターに比べて、アウトソーシング先でそのような状況に陥ることは容易に想像できるのではないでしょうか。

アウトソーシングの最大のメリットは、アウトソーシング先の事業者がコールセンター運営を代行してくれることにより、自社の負担がゼロになることですが、それは「顧客との距離が遠くなる」というデメリットとのトレードオフであることを忘れてはなりません。

(3)コスト増加のリスク

そこで、対策として、「アウトソーシング先との連絡を密に取る」「トラブルに繋がりそうなことは些細なことでもエスカレーションしてもらう」などが対策として実施されることになります。しかも、場所が離れたアウトソーシング先との情報共有やエスカレーションには、それなりの負荷やコストがかかります。そうなると、社内の担当者の負荷が上がり、何のためにアウトソーシングしているのかわからなくなってきます。

そして、アウトソーシング先としても業務の工数が増えますので、コスト増分を追加請求することになります。

また、一旦、外部にアウトソーシングしてしまうと、後々の席数の増強や、設備の更新の際に、想像以上の金額を請求される可能性もあります。

結果として、「コスト削減」を目指して選択したカスタマーサポートのアウトソーシングが 「コスト増加」に繋がることになります。 それが、 3つ目のリスクです。

● アウトソーシングは、ブラックボックス化することが問題。

コールセンター運営のアウトソーシングサービスは、ブラックボックス(アウトソーシング先)にインプット(仕様)を与えてアウトプット(成果物)だけが得られれば良いという請負型の業務に向いています。

例えば、「新聞広告出稿後の通販の受注業務」「架電リストへのアポ取り業務」「指定の年齢・人数への電話アンケート業務」などです。

アウトソーシングサービスは、外から見るとブラックボックス化してしまいます。 そのアウトソーシングサービスを、カスタマーサポートのようなプロセス重視の業務に当てはめようとすると、どうしても無理が出てきます。そして、先ほどのような問題が起こってしまいます。

● カスタマーサポートは、 「インハウスでの業務委託」がおススメ。

そこで、おススメするのが、カスタマーサポートの「インハウス委託化」です。

自前で用意したコールセンターの箱(インハウス)の中で、コールセンターの運営を業務委託(外注)するのが、「インハウス委託化」のイメージです。

コールセンターの建物や設備は、自社で用意します。もちろん、営業部門や商品・サービス企画部門が仕事をしている建物内でカスタマーサポート(コールセンター)運営に必要な空間が用意できれば最高です。

また、受電に必要な設備を自前で選定することが難しい場合は、コールセンター事業者に相談すれば良いでしょう。現在では、以前のように社内に機材を設置しなくても、クラウド型のシステムを利用する選択肢もあります。

そして、改めて、貴社のカスタマーサポート運営において、何が課題なのかを整理してみてください。

インハウス委託化により、「人員の充足」や「応対品質の改善」が期待できます。インハウスのほうが、お客さまからの問い合わせやクレームにも円滑に対応でるはずです。また、 複数の委託事業者を併用することにより、 コストの最適化を図ることも可能です。そして、従来どおりに セキュリティも確保できます。

このように、カスタマーサポートのコールセンター(カスタマーセンター、サポートセンター)においては、「100%外注」か「100%内製」かの単純な二択ではなく、両者の良いところを併せ持つ「インハウス委託」という選択肢もあることをご記憶いただけましたら幸いです。