コールセンターBPOと、コンタクトセンター

「コールセンター」と「BPO」と「コンタクトセンター」。それぞれの違いや関係性を整理してみます。

bpo

● コールセンターのアウトソーシング

コールセンターのアウトソーシングと言えば、 きっと、 「電話応対」 に限定した業務を外部の事業者に代行してもらうことをイメージされると思います。

少し幅を広げたとしても、 あくまでも、 「電話応対」 に 関連・付随した業務を想像されることでしょう。 例えば、 電話応対に必要な設備の構築や、 トークスクリプトの準備、 アウトバウンド (発信) 業務に 必要な架電リストの作成、 人材の育成・教育など。

ちなみに、 外部の事業者による業務の外注方式には、 アウトソーシング ・ 業務委託 ・人材派遣などの種類がありますが、 (別のページ で詳しく説明していますので) ここでは触れないでおきます。

● コンタクトセンターとは?

従来、お客さまから企業への連絡手段は「電話」が主役でした。電話以外に、ハガキなどの郵送物やFAXがありましたが、その利便性により「電話」が顧客接点のツールとしての大きな役割を担ってきました。

しかし、インターネットが普及し、職場でも家庭でもパソコンやタブレットを利用することが増え、また、何よりも個人でのスマホ利用が一般的になりました。かつて、携帯電話は「電話をする」道具でしたが、もはや、携帯電話(=スマホ)は、(電話よりも)LINE、メール、SNSのためのツールとして存在しています。

コンタクトセンター

そのような時代の流れに伴って、お客さまと企業の接点(コンタクト・ポイント)は、「電話」だけではなく「ホームページのお問い合わせフォーム」「電子メール」「SNS」「(LINEなどの)チャット」などへと拡張されました。その拡張された顧客接点への対応を担うのが、コンタクトセンターです。

つまり、コールセンターは「電話応対」の部門でしたが、コンタクトセンターは「電話」だけではなく「ホームページのお問い合わせフォーム」「電子メール」「SNS」「(LINEなどの)チャット」も含めた顧客対応を担う部門です。

● BPOとは?

さて、 皆さんは、 BPOと聞いて、 どのようなイメージをお持ちでしょうか?

BPOとは ビジネス・プロセス・アウトソーシング (Business Process Outsourcing)の略ですが、 そもそも、 「ビジネス・プロセス」 とは 何でしょうか?

ビジネスとは「仕事や業務」。 プロセスとは「過程、 工程、 方法、 物事の手順や手段」 です。 従って、「ビジネス・プロセス」 とは「仕事・業務の工程」 という感じでしょうか。 つまり、 1つの仕事 (タスク) だけではなくて、 流れに沿った 「いくつかの連続する仕事の集まり」 のことを指します。

プロセス

1つの業務が終わったら、 次の業務に結果 (生産物) が引き継がれて、 次の業務が始まる。 それらの一連の流れ (固まり) が 「ビジネス・プロセス」 と呼ばれるものです。

そして、そのビジネス・プロセスをアウトソーシングするのが、BPOです。

● コールセンターのBPO

それでは、 コールセンターのBPOとは、 どのようなものでしょうか?

コールセンター業務のアウトソーシングが、 電話応対業務 (と、 それに付随する業務) に限定されているのに対して、 BPOでは電話応対の 「前後の業務」 も含めてアウトソーシングすることを意味します。

例えば、 BtoB企業が、 顧客企業を新規開拓したいと考え、 施策を実行する場合を考えます。 そして、 その際に、 以下のような行動をしたとします。

(1) 見込み顧客となる企業のデータ (住所や電話番号など) を収集する。
(2) 見込み顧客企業に送付するパンフレットの内容を 企画・検討する。
(3) 見込み顧客企業にパンフレットを送付する。

(4) 見込み顧客企業に、 電話を架けて、 「パンフレットが届いたか?」 「開封してもらえたか?」 「自社の商品・サービスに興味はあるか?」 などを確認する。 (フォローコール)

(5) 興味を示した企業に、 電話で詳細な 商品・サービスの説明をする。 (インサイドセールス)
(6) 興味を示した企業を訪問し、 対面で詳細な商品・サービスの説明をする。 (フィールド営業)
(7) 顧客企業と契約を結ぶ。

(8) 自社の商品・サービスに関する問い合わせを受ける。 (お客さま問い合わせ窓口)


この中で、コールセンターのアウトソーシングと言えば、(4)の「フォローコール」や、(8)の「お客さま問い合わせ窓口」の業務を 「単体で」外注することを指します。もちろん、「フォローコール」や「お客さま問い合わせ窓口」に付随する業務(マニュアルの作成など)を含めます。

一方、 BPOと呼ぶ場合には、 いくつかの繋がった複数の業務を アウトソーシングすることになります。

例えば、 (1) ~ (8) の全てを1社に外注することも有り得ます。 また、 前半部分 (パンフレット制作 ・ 発送から、 フォローコールまで) を外注し、 後半は自社で対応する。 逆に、 前半部分は自社で対応して、後半分 (フォローコール ・ フィールド営業から受注、 フォローコールまで) を外注するというやり方もあるでしょう。

自社で対応する部分と外注する部分は、 自社と外注先の強み・弱みや、 その時期や業務内容などによって違ってくることでしょう。

ただし、「複数の業務」を「複数の企業」に外注したり、 自社と外注先との間を業務が行ったり来たりするよりも、 1社に全てを一気通貫で外注できるほうが、 発注する側にとって便利であることは間違いありません。そして、一気通貫であるがために全体を俯瞰して業務を設計し効率化を図ることが可能になります。

● 【まとめ】コールセンター、コンタクトセンター、BPOの違いと関係性

これまでに ご説明した内容を図示してみると、次のような内容になります。

コールセンターBPO

●「コールセンター」の顧客との接点手段は「電話」のみ。

● 顧客との接点手段を「電話以外のツール」にも拡張したものが「コンタクトセンター」。

●「前後の業務」を合わせた一連の業務が「ビジネス・プロセス」。

● 業務単体ではなく、「ビジネス・プロセス」をアウトソーシングするのが「BPO」。

●「コールセンター業務」を、その「前工程」や「後行程」と合わせてアウトソーシングすれば、「コールセンターBPO」。

●ちなみに、「コンタクトセンター業務」を「前工程」や「後行程」と合わせてアウトソーシングすれば、「コンタクトセンターBPO」。

大きくまとめると、 「コールセンター」を基本として顧客接点の手段・ツールの横幅を拡張したものが「コンタクトセンター」。「コールセンター」と「その前後の業務」を垂直統合してアウトソーシングするのが「コールセンターBPO」。

そんなところではないでしょうか。

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