弱いAI・強いAIと、特化型・汎用型|AI・人工知能の用語

● AI(人工知能)の分類方法

AI(人工知能)には、いくつかの違う方法論があったり、そもそも、AI(人工知能)と呼ぶべきかどうかの線引きが難しいものがありますが、ここでは「特化型・汎用型」と「弱いAI・強いAI」という分類方法について説明します。


強いAI・弱いAI・汎用型・特化型

● 特化型と汎用型

AI(人工知能)の区分の仕方に、「特化型」と「汎用型」という分類方法があります。

特化型とは特定の専門分野でのみ能力を発揮できるAI(人工知能)のことです。囲碁・将棋・チェスの対戦ができるAI(人工知能)や、法律や医療、故障診断などの専門分野に特化したものです。一世代前のエキスパートシステムも特化型のAIと言えますが、当時はルールを人間が教える(記述する)必要があったので、ディープラーニングを活用した今流行りのものとは使っている技術が違うものです。

一方、汎用型とは、人間のように幅広い対象に対して推論等が行えるものです。SF映画に出てくる人型のアンドロイドやアニメのドラえもんなどは、汎用的なAI(人工知能)を搭載したロボットだと言えます。

その人間並みにどんなことにでも対応できるAI(人工知能)の実現には、AI(人工知能)自らが学習して進化する能力が必要だと考えられます。全てを人間がコード化してAI(人工知能)に教えることには限界があるからです。

● 弱いAI・強いAIとは

汎用型・特化型とは違うものとして、弱いAI・強いAIという分類方法があります。

一世代前の人間がルールを記述するルールベースの推論(人工知能)は、弱いAIです。法律や医療など、人間が教えたこと以上のことができませんので、人間を超えることができません。囲碁の対戦ソフトも、子供の遊び相手程度の実力であれば、特化型の「弱いAI」です。

逆に、強いAIとは、人類よりも優れた推論能力を持つAI(人工知能)のことです。アルファ碁は、プロのトップレベルの棋士でもかなわない強さを誇りました。特化型の「強いAI」と言えます。

強いAIのベースには、ディープラーニングの技術があります。そして、学習のための多くの事例が必要です。加えて、アルファ碁のように現代の世界最高速のスーパーコンピューターを活用する場合があります。ただし、コンピューターの演算能力は時間の経過と伴に進化していきますので、いつかはパソコンでもアルファ碁並みの演算処理ができる時代がやってくるはずです。

そして、裁判の類似事例を見つけ出す、レントゲン写真から病巣を見つけ出すなどの特化型のAIでは、既に人間の能力を超えている「強いAI」が出現しています。ただし、弱いAIであっても、弱いAIが全く役に立たないというわけでもありませんし、弱いAIにもビジネスチャンスが眠っているかもしれません。

ちなみに、汎用型のAIは、自ら学習する能力を身につけているはずなので、最初は「弱いAI」であっても、いずれ「強いAI」へと育っていくはずです。コンピューターの演算処理能力に問題がなければという条件が付きますが。そして、そのような「汎用型のAI」が実現さるには何らかのブレークスルーが必要であり、現時点ではまだ実現できるかどうかはわからないのではないでしょうか。

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